【開催報告】私が知りたい、知りたかった『性教育』のこと

「国際女性デーミモザウイークくにたち」期間中の3月23日(日)、堀川修平さんをお招きし、【私が知りたい、知りたかった『性教育』のこと】を開催しました。当日は33名の方が参加してくださいました。性別、年齢さまざま、また、お子さまを連れて参加される方、夫婦で参加される方もいらっしゃいました。

講師:堀川修平さん
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門は、日本の性教育実践と実践者の歴史・性的マイノリティ運動の歴史。埼玉大学特定プロジェクト研究員、日本学術振興会特別研究員-PD。一般社団法人”人間と性”教育研究協議会幹事。著書に『気づく 立ちあがる 育てる―日本の性教育史におけるクィアペダゴジー』(エイデル研究所、2022年)、『「日本に性教育はなかった」と言う前に―ブームとバッシングのあいだで考える』(柏書房、2023年)。
前半は、堀川さんのお話。「教育」とは何か?、「性教育」の捉え方はさまざま、「包括的性教育」について、具体的なエピソードなども交えながら、わかりやすく説明してくださいました。
後半は、「グループワーク」。「自分がいま知りたい、知りたかった『性教育』とは?」。堀川さんのお話を踏まえた上で感じた、さまざまな意見を出し合いました。どのグループも活発に意見交換が行われ、共有タイムでは他のグループの話をみなさんが真剣に聞いている姿がありました。




堀川さんからは、「『包括的性教育』は一人ひとりの人権の話であること。人間は、生まれてから亡くなるその時まで発達し続ける生物である」というお話がありました。
「私たちが学ぶのは「間違わない」ためではなく、「間違いを恐れない」こと、「間違ったと気づいたときにそのような対応ができるか」を身につけるため。そして、学ぶことはいつからでも始められる」ということを堀川さんのお話から学びました。
参加者のみなさんからは、「思っていたのとは違ったけれど、すごくよかった!」「性教育ってこういうことだったのか。もっと知りたい」「もっと早く知りたかった」「もっとみなさんと語り合いたかった」「また開催してほしい」という声がたくさん聞かれました。
スタッフの振り返りでは、ワークの時間をもっと長く設定すべきだったという意見もあり、また次回の開催を検討したいと考えています。
また、決まりましたらお知らせ致します。
アンケートより
- 多世代の方と意見を交わすことができ、本当に楽しく学ぶことができました。皆さんの経験に基づく多様な話が勉強になりました。
- 堀川さんのお話はわかりやすく特に最初の「教育」とは何かという説明がとてもよかったです。グループワークの時間をもっと取っていただきたかったです。2時間半くらい設けていただいてもいいのでは。
- グループワークの中で出た意見にうなづくばかりでした。公教育の責任について考えさせられた部分が大きいです。各家庭、各学校、各自治体でずいぶん温度差や解像度がちがうので、文科省がしっかり人権を中心にした性教育のカリキュラムを設定してほしいと思いました。
- 性教育ときくと生理やセックスのことばかりを想像してしまいますが、『包括的性教育』はとても幅広いものであることを学べました。『教育』とは『性』とはという定義、概念から知れたのは本当に興味深かったです。
- 教育とは発達への助成的介入であり個を排除し鋳型にはめこむ介入は教育ではないと聞けて感動。公立学校でもっと自由に包括的性教育がなされるにはどうしたらいいのでしょう。
- 包括的性教育について初めて知りました。小3の娘に伝えたいと思って参加しましたが、身体の発達や性行為の事の前に伝えなければいけない事がたくさんあると知りました。
- 包括的性教育について定義のところからしっかりすり合わせしていて内容が入ってきやすかった。また、グループのディスカッションなどを通して様々な発言等に気づきを得られた。自分の今後のなかで役立てていきたい。
- 性教育というテーマは多岐にわたる本当に広い問題なのだということを実感しました。グループワークでまわりの人の考え方を聞いたり、また他のグループの報告を聞けたことが非常に良かったです。”人権”を大切に、さらに勉強していきたいと思います。
- 性教育というテーマでも人によってこれだけ着目するトピックが違い、堀川さんの最後のあいさつで「とりこぼしがあってあたり前」という言葉がしっくりきました。
- 今日オープンスペースでグループワークが出来てよかったです。広い場所で意見交換が出来て新鮮でした。資料がわかりやすく堀川さんのていねいな話し方のおかげで集中して学ぶことができました。
- 自分を見つめ考える機会となりました。ありがとうございました。色々な人の意見もきけて参考になりました。
- 複数回堀川さんのこのような会に参加したことがあり、長らく参加できていなかったのですが、国立市で参加できてうれしかったです。目が点になってしまう(自分が不勉強だったという意味で)ことばかりで、新たに学びを得ることができました。ありがとうございました。
- これからジェンダーを勉強するうえで、基磯的な内容を知ることができて良かった。塾講師をしているので”教育”について学べて今後の授業に活かしたい。
- こういう場が初めてで、ディスカションも少しどきどきでしたが、楽しくお話できました。新しい気づきがあって、来て良かったです。
- 内容はとても充実していて有難かったです。ただし、、、もう1時間?欲しかったです。せっかく小グループで各自意見を出した所で小グループでの話しをもう少し深めたかったです。更に、マイクで話された事についても、全体でディスカッションもお時間があればやりたかかったです。
- 日本の学校教育や性教育のこういうところは良くなくて、一方で包括的性教育のココが素晴らしい、という話はこれまでにもよく聞いてきましたが、逆に、包括的性教育のこの部分はまだ不十分とかよくない、みたいな話があれば知りたいと思いました。
- 成長と発達のちがいや、そもそも教育とは?というお話を性教育のお話の前にしていただけたのがとてもよかったです。性教育は子ども向けではなく、大人も学び続けるべきものだと気づきました。